2019/11/29

メコン川の色が変わる

タイ東北部ラオス国境のウボンラーチャターニーではメコン川の色が、これまでの茶色から緑がかった空色に変わっているということである。この川で30年漁師をしている地元の人によればメコン川の色がこんなに変わったのは初めてのことで驚くとともに水が透明になると魚が仕掛け編みに気づくので漁獲量が減るのではと心配している。

原因については正式な発表はまだないが地元の人によると上流にできたダムで水が溜まっている間に茶色い泥などが沈殿してしまい澄んだ水だけが流れてきているのとダムの影響で水の流れが遅くなっているせいではということである。



2019/08/13

財務局は歴史的建築物を民間に委ねる

タイ財務局の局長はタイ各地に残る歴史的建造物また素晴らしい建築物を民間で利用してもらおうとオークションを考えている。タイ各地で改良すればまだ利用できる建築物は200件ほど残っているようである。例えばアユタヤに残っているトゥクキオクンピタックは幽霊屋敷などと言われているが改良さえすればブティックホテル、コーヒーショップ、映画のロケーションなどに利用することができるということである。

財務局の考えではバンコクの異常な発展とともに数多くの歴史的価値がある建築物が失われていったがまだ手遅れではなく民間に改良を任せるとしても、本来の建築物のすべてがなくならないように監督していくということである。

タイ各地の200件ほどの建築物で改良して使っていけるという立地条件がいいのは60件ほどでバンコクではワンバーンドークマイや地方ではノーンカーイにある芸術局の建物などである。




2019/07/30

トゥンギーホテル

最近、タイ共産党の最後まで残っていたトン・ジェムシー幹事長が亡くなり、過去の歴史が見直されている。フアラムポーン駅の近くにあったトゥンギーホテルは1930年4月20日にタイではサハーイスンと呼ばれるホーチミンが出席した初めての共産党秘密会議が開かれたところである。

その時代の人々は汽車を移動に使い汽車の乗り換え、親戚との待ち合わせなどのためにフアラムポーン駅近辺には多くのホテルが有ったということである。またこの時代のホテルは看板には中国語では旅社と書き英語ではタイ語風発音でホーテンと読んでいたようであるが1935年にホテルの関する法律ができタイ語でローンレームと現在の呼び方になったようであるが、当初はホーテンという呼び方に馴染む人たちからは不評だったようである。そしてトゥンギーホテルは現在も見ることができる駅の右側にできた高速道路への連絡道路の建設のために、共産党秘密会議が開かれてから64年後には閉鎖されたということである。



2019/06/16

小学6年生学校を1年休みます

タイ東北部への入口になるバンコクについで人口が多いナコンラチャシーマーの公立小学校に通うアーム君6年生は4人の兄弟の面倒を見なければならないので1年間休学して兄弟が大きくなったら学業に戻りますと先生に頼んだが、学校側は中学までが義務教育なので1年間という長い休学は認められないということであった。しかしこのニュースが流れるとタイ全国から寄付が121万バーツ(約360万円)集まり、アーム君と一緒に住むおじいさんはこれだけで十分生活できるのでこれからは他の困った人に寄付してくださいとこれ以上の寄付を断ったということである。おかげでアーム君は学業を続けることが出るようになったということである。

最近は選挙後の政権作りで閣僚争奪戦のニュースばかりで権力を続けようとする軍人や少しでも閣僚の地位が欲しい政治家の見にくい争いのニュースばかりの中で目立ったいいニュースでした。



2019/05/29

タイの閣僚争奪戦

6月2日には国会で首相選挙が行われるということだが選挙が終わり数ヶ月が過ぎたもかかわらず
民主主義グループかパランプラチャーラット党が主導する軍事政権の継続か未だに決まっていない。
パランプラチャーラット党が引き込もうとする51議席を有する民主党と折り合いがつかないのはすべては理想と豊富または政策の違いからではなく単なる閣僚の争奪戦であるようだ。

ではどうしても必要な51議席を取り込むために閣僚を民主党に譲ることができないパランプラチャーラット党を構成するグループを見てみよう。2018年3月2日に結党したパランプラチャーラット党の寄せ集めグループは次のとおりである。

1.軍人グループ
首相と副首相を除いた24の閣僚のうちこのグループが欲しがっているのは次のとおりである。
首相、副首相、国防、内務、財務、運輸

2.ソムキット財務相がもとの閣僚4人を合わせたグループ。

3.元のゴーポーポーソーグループ
パンタミット運動を引き継ぎ反タクシン・反民主主義をスローガンにクーデターを引き起こし民主主義政権をブチ壊したグループで、ゴーポーポーソー時代には政治改革を謳っていたが何も結果がない5年が過ぎ今回は軍事政権の継承を担うというグループ。

4.サームミットグループ
主にソムサック、スリヤというタイラックタイ党にいた下院議員が作ったグループで、今回の選挙で当選した116議席の20議席が所属していて農業と協同組合大臣と工業大臣を狙っているようである。

5.北部グループ
パヤオのタマナット議員が率いる北部の10人の議員を有するグループで内務副大臣を狙っている。

6.パランチョングループ
タイ東部のチョンブリーが地元のもとのパランチョン党で今回の選挙からはパランチョン党を解消してパランプラチャーラット党に参加したようで6人の議席があり観光とスポーツ大臣を狙っている。

7.コラートグループ
ウィラット議員が率いるコラートの7人の議員で構成していて大臣席一つを狙っている。

8.ペッチャブーングループ
サンティ議員が引きいるグループでこれまではプアタイ党に属していたが、ペッチャブーンの5議席すべてがパランプラチャーラット党にひっくり返したグループ。

9.ガムペンペットグループ
ワラテープ議員が引きいるグループでこれまではプアタイ党に属していたが、ガムペンペットの議席すべてがパランプラチャーラット党にひっくり返したグループ。

10.南部グループ
13人の議員を有する南部のグループで大臣と副大臣を狙っている。




2019/05/09

タイの選挙について 32 民主党党首の選挙

今回の選挙での惨敗でアピシット党首が辞任に追いやられ新しい党首の選挙が5月18日にあるということである。今回の選挙での惨敗の原因はここ数年の間反タクシンだけで何ら新しい方針と政策を示すことができなかったことに尽きると思う。そしてパンタミットからゴーポーポーソーに引き継ぎパランプラチャーラット党による軍事政権の継続の過程で中途半端な関わり方しかしなかったというのもあるかもしれない。パランプラチャーラット党が連立政権を担えるかは民主党の52議席が大事になってきている。現在の状況では大半の党員はパランプラチャーラット党の政権に入り何らかのポストを得るというのが本心のようであるが表向きは18日決まる新しい党執行部が決定するということである。次の4名が新党首の候補者であるが選挙に向けた意気込みを見ていると誰一人として民主主義について述べる者はなくやはり想定どおりに反民主主義陣営に入るということだろう。

1.ジュリン・ラクサナウィシット
2.ゴーン・ジャーティカワニット
3.アピラック・ゴーサヨーティン
4.ピーラパン・サーリーラットウィパーク

そしてあと数年先にはスパンブリーの4議席をすべて獲得したチャートタイパッタナー党またはブリラムの8議席をすべて獲得したプームチャイタイ党のように今回の選挙で唯一全議席6議席を獲得したスラータニーを拠点とした地方ボスになっていくということだろう。



2019/05/08

タイの選挙について 31 選挙委員会正式発表

タイの人たちが待ちに待った選挙結果をやっと選挙委員会が発表した。待ちに待ったとはいえ選挙前から選挙後の選挙員会のやり方は反民主主義である軍人政権の継続に肩入れしていることはタイの人たちの目には明らかになっていたので期待はなかったような気がする。比例代表の数え方を反民主主義勢力に有利になるように数えたので民主主義陣営7党の合計は当初の255から10減って245になり政権を取るのが難しくなったようである。

民主主義党

プアタイ党 選挙区 136 比例代表 0
アナーコットマイ党 選挙区 30 比例代表 50
セーリールアムタイ党 選挙区 0 比例代表 10
プラチャーチャート党 選挙区 選挙区 6 比例代表 1
セーターキットマイ党 選挙区 0 比例代表 6
プアチャート党 選挙区 0 比例代表 5
パランプアンチョンタイ党 選挙区0 比例代表 1

反民主主義党

パランプラチャーラット党 選挙区 97 比例代表 18
民主党 選挙区 33 比例代表 19
プームチャイタイ党 選挙区 39 比例代表 12
チャートタイパッタナー党 選挙区 6 比例代表 10
チャートパッタナー党 選挙区 1 比例代表 2
ルアムパランプラチャーチャートタイ党 選挙区1 比例代表 4
パラントーンティンタイ党 選挙区0 比例代表 3
ラックプーンパープラテートタイ 選挙区0 比例代表 2
パランチャートタイ党 選挙区0 比例代表 1
プラチャーピワット党 選挙区0 比例代表 1
タイシーウィライ党 選挙区0 比例代表 1
パランタイラックタイ党 選挙区0 比例代表 1
クルータイプアプラチャーチョン党 選挙区0 比例代表 1
プラチャーニヨム党 選挙区0 比例代表 1
プラチャータムタイ党 選挙区0 比例代表 1
プラチャーチョンパティループ党 選挙区0 比例代表 1
ポンムアンタイ党 選挙区0 比例代表 1
プラチャーティパタイマイ党 選挙区0 比例代表 1
パランタムタイ党  選挙区0 比例代表 1
タイラックタム党 選挙区0 比例代表 1



2019/03/27

タイの選挙について 30 連立政権

本日27日に選挙結果第1党のプアタイ党が中心になり7党が集まりコーソーチョー(国家平和秩序評議会)の政権継続を阻止する連立政権が立てられた。7党合わせておおよそ255議席で下院総数500議席の過半数に達しているということである。おおよそ255議席というのは未だに選挙委員会が正式な議席数を公表していないからである。

選挙委員会によるとイエローカード、レッドカードの準備をしていて公式発表ができるのは5月上旬ということである。コーソーチョー(国家平和秩序評議会)が暫定政府であった5年間にタクシン派の政党すなわち民主主義政党を弱体化するために憲法を改正して選挙法を改正してタクシン派の政党の解党もやったわけであるが、最後の手段が選挙委員会でレードカードを使って民主主義政党の議席が減るのを狙っているのだろう。

連立政権を構成する7党は次のとおりである。

1.プアタイ党
2.アナーコットマイ党
3.セーリールアムタイ党
4.プラチャーチャート党
5.プアチャート党
6.セータキットマイ党
7.パランプアンチョンタイ党


2019/03/25

タイの選挙について 29 選挙結果

3月24日に投票があった8年ぶりの選挙結果は次のとおりである。
選挙委員会によると公式の発表は5月になるということで次の議席数は変わる可能性がある。選挙委員会への国民の不信はますます大きくなり罷免の署名が40万人集まっているということである。

1.プアタイ党         135議席
2.パランプラチャーラット党 117議席
3.アナーコットマイ党     80議席
4.民主党           53議席
5.プームチャイタイ党     51議席

下院500人において首相を出すのは第1党なのでプアタイ党が主導権を握り連立を組んで与党になるというのがこれまでの常識であったが、今回の選挙からは首相選出に上院250人が参加するので、このようなやり方は無理かもしれないが、国会運営を考えると500人の半数250人以上は必要なのでどのような連立になっていくかはまだ時間がかかりそうである。

いずれにせよ選挙が無事に終わり、今回の首相が誰になろうとも4年毎に国民は選挙の1票でタイ国民でありどのような政治が必要なのかという決定権を再び取り戻したということだろう。

一気に議席を減らした民主党はアピシット党首の辞任になるであろう。クーデターにも反対せず軍人政権にも反対せずに正直者、いい人が政治をやるという訳の分からないことを5年間言い続けた結果だろう。

それに対してアナコットマイ党の躍進はタイの政治に希望をもたらし若い人が多いので4年後の選挙ではもっと注目を集める政党になっているだろう。


*選挙後の会見でアピシット民主党党首の辞任の発表があった。


2019/03/20

タイの選挙について 28 3月24日の選挙

あと4日で8年ぶりの下院選挙がある。3月17日の事前投票では70%以上が投票したことで
国民の選挙に対する関心が高まっているのが見て取れる。今日の新聞では24日の投票率は
89%を超えると予想している。

これだけの関心の高さは8年ぶりの選挙ということもあるがクーデター以降に政権を確立したコーソーチョー(国家平和秩序評議会)のやってきた行為を国民は初めてこの選挙で評価を出すことができるという意味もあるようである。学者によると今回の選挙は民主主義者Vs軍人独裁の裁判のようなもので国民は投票によってタイの将来にはどちらが必要かを判断するということである。

今回の選挙について民主主義者の見解は次のようである。

1.民主主義 Vs 軍人独裁
2.コーソーチョー Vs 反コーソーチョー
3.現首相続投 Vs 反続投
4.民主主義政党 Vs 独裁継承政党

これに対する軍人独裁の見解は次のとおりである。

1.タクシン派 Vs 反タクシン派
2.家を燃やし国を燃やす Vs 治安安定
3.古い政治 Vs コーソーチョー政治

2.家を燃やし国を燃やす というスローガンは民主党政権時の副首相であったステープが赤服のデモに対して言い放った言葉でタクシン派の政権では治安が不安定になり軍人が政権を取ると治安が安定するというスローガンに使われている。それ以降ステープは反タクシン運動であるパンタミット運動を引き継ぎゴーポーポーソーを立ち上げてバンコクの治安を乱したのは周知の通りで、一体誰がバンコクの治安を乱して反タクシン運動を推進してきたのか明白になっている。

最近はこのステープが現首相の続投を意図する政党の集会にゴーポーポーソー運動で引き連れたバンコクの地方差別主義者をまた呼び寄せて他に策もないのか反タクシン運動を再現するように笛を吹き拍手のおもちゃを打ち鳴らしステープ劇を再開しているようである。



2019/03/08

タイの選挙について 27 タイラクサーチャート党の解党

昨日、3月7日に憲法裁判所はタイラクサーチャート党の解党を命ずる裁定を下した。この件は選挙委員会がタイラクサーチャートを立憲民主主義に敵対していると憲法裁判所に訴えた件で、これまでの憲法裁判所による反タクシンという判例を見ていると今回のタイラクサーチャートがタクシン派である事を考えると解党という裁定は予想できていた。タクシン派にとっては打撃だろうがタイラクサーチャートを応援する票はプアタイ党に戻るだけなので大きい影響はないということである。

今回の件を考えていて思いついたのは反タクシンという呼び方は分かりやすいが根本的に誤解を与えていると気づいた。反タクシンではなく反民主主義だとはっきりというべきだろう。


2019/01/23

タイの選挙について 26

下院選挙に関する勅令が出たことにより選挙管理委員会は3月24日に選挙をやると発表した。

軍政が発足直後から実施を約束しながら、先送りを繰り返してきた総選挙の日程がようやく確定した。タイで総選挙が行われるのは11年7月以来、約8年ぶり。クーデター前の14年2月に実施された総選挙は、憲法裁判所が無効と判断している。発表により各党による選挙運動が解禁され選挙戦では続投に意欲をみせる軍出身のプラユット暫定首相を支持する勢力とタクシン元首相派など軍政と対立する政党が激しい主導権争いを展開する見通しのようである。


2019/01/15

バンコクの大気汚染

韓国の首都圏で微小粒子状物質「PM2・5」による大気汚染が過去最悪水準となり、空は灰色にかすんだというニュースが流れているがバンコクにおいても同じような現象が起きている。

もともとバンコクは海に近い平野で海からの風が大気汚染になる粉塵を払いのけると言われていたのだが違ってきたようでバンコク市は道路を大量の水で清掃して粉塵をなくそうとしているようである。
また中には歩道で鶏を焼いて売る屋台が原因だと突拍子もない事を言う人も出てきている。


タイ国内で他の場所ではこのような現象はないのでバンコクの得意性を考えると車が多い、高層ビルがある、森林が少ないという原因に尽きるような気がする。バンコク市民は32バーツのN95というマスクを付ければ粉塵を防げると考えているようで売り切れになったようである。


2019/01/14

タイの選挙について 25 5回目の選挙延期について

2月24日と決められていた選挙が延期になると話題になっている。これまでにタイでは何度ものクーデターがあり軍人政権ができ何年か立つと民間政権に任せるために選挙が行われてきた。しかし今回の選挙はこれまでのクーデター後の選挙とは違い軍人政権と取り巻き法律家が作り出した憲法と各種の法律で国民が選ぶ政権をがんじがらめにしている。

これで5回目の延期だということだが、現在の軍事政権を構成しているクーデター後にできたコーソーチョー(国家平和秩序評議会)は自分たちで都合のいいように作った新憲法により上院250名は任命でこの憲法からは首相を選ぶ時に上院も参加できることになった。上院250名と下院では選挙にコーソーチョーに従う政党を作り出し過半数を狙えると思っていたのだろう。しかし未だに選挙日を確実に公表できないのは、もし選挙で負ければどうなるか不安なのであろう。


世界情勢を見るとクーデターを起こして武力により政権を奪取する国は少なくなりあったとしても成功はしていないのを見ると次回のクーデターはできないと考えているのかもしれない。またコーソーチョーを構成しているのは軍人だがクーデターをやるのは軍であって軍も変わりつつあるのかもしれない。そのように考えるとコーソーチョーの不安はこのまま選挙をして負けてクーデター及びそれ以降の出来事を追求されるとどうなるのかということで、それならこのまま選挙をせずに居座り続ければ問題はないと考えているのかもしれない。