2018/06/05

タイの選挙について 23 民主党の未来

2560年憲法をどうするのかということが選挙の争点になってきている。新未来党の宣言で始まりプアタイ党、チャートタイパッタナー党、プラチャーチャート党も選挙での争点にするようで政権党になるとさっそく2560年憲法に代わる憲法を民主的手続きで作成するのか国民投票にかけるようである。プアタイ党に続く民主党が2560年憲法をどのように考えているのかは、新未来党が2560年憲法の改正を宣言したときの民主党のマリカー元副広報の発言にはっきりと現れている。

マリカー元副広報の発言はまず国民投票という民主的な方法で成立した憲法をどうして改正するのかと批判しているが、それは2560年憲法の成り立ちが決して民主的でなかったことは小学生でも分かっていると思う。2560年憲法草案起草委員会はミーチャイ委員長はじめ36名の委員は国家改革議会、立法議会、内閣、コーソーチョー(国家平和秩序評議会)による任命であって、もちろんこの憲法を通した立法議会も任命で全てにおいて国民が選んだ憲法ではなく最後だけが国民投票という民主的なことをやっただけである。また2560年憲法の54条と258条は教育の均等化を推進するいい所もある憲法だと言うがはっきりと言って焦点がずれている。

これまではバンコクと南部が基盤の民主党であったわけであるが、南部ではスラータニー出身のステープ元議員が違う党を立ち上げいなくなり南部で残って民主党の看板になっているのはトラン出身のチュアン元議員だけで心細いところであるが、バンコクの支持層である中間層もこの選挙がなかった数年で変わってきているだろう。まずはこの数年間、南部のゴム価格の問題を含めて何もできなかったまたはやらなかった民主党に対する期待感ははっきり言ってなくなっているだろう。


タイの選挙について 23 民主党の未来