2018/05/15

タイの選挙について 17 新党-新未来党

これまでの選挙の度に出てくる新しい党は既存の政治家か有力者が作った党で若者が作った党というのはなかったという気がする。次回の選挙に出てくる新未来党は26人の発起人が20-60才で平均年齢は31才ということで驚いている。新未来党のスローガンは「失われた10年を乗り越えて未来があるタイを創る」ということで思想はフェミニズム、 進歩主義、 民主社会主義、 左翼ポピュリズムということである。

発起人の中の中心は次の2人である。
タナートーン・ジュンルンルアンキット
タイの金持ち28位に入る自動車部品関係サミットグループの副社長でタイラックタイ党の中心メンバーであったスリヤ・ジュンルンルアンキットは叔父に当たる。自動車のデザインを希望してタマサート大学の工学部に入るが卒業証書がまやかしで学問に幻滅したのかタマサート大学学生自治会に参加して各地の貧困者救済活動や労働者運動に参加する。そしてタマサート大学3年の時にイギリスのノッティングハム大学に留学して社会主義に惹かれマルクスとレーニンを勉強する。23才の時に父親が亡くなり仕方なく会社を引き継ぐことになる。しかし社会問題への関心は続いていたようでチュラーロンコーン大学にて政治経済学の修士号を取得する。卒業論文である「1971年ー1997年の間のビジネスエリート資本蓄積状態」という卒業論文は大学当局によって公にすることを禁じられた。また2つ目の修士号である国際金融学をニューヨーク大学で取得する。趣味は冒険ということで2018年には他の9人のタイ人と共に南極に行っている。

ピヤブット・セーンガノックグン
タマサート大学法学士を取得後にフランスのナンシー大学で学位を取得して憲法学と行政法を教える37才のタマサート大学助教授である。最近では国民のための法学という意味であるニッティラートという運動を続けていたが、クーデター後の司法の現状に失望して政治活動を始めているようである。 


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