また同じ数字を使うと票の買収がやりやすくなるという説がある。買収者は投票者にお金を渡した時に候補者の名前をいうよりは番号のほうが簡単に覚えてもらえるというメリットがある。だから日本のように白紙の投票用紙に候補者の名前か政党名を書くのがいいのだろうが、これはこれで無効票が出る確率が多くなる。タイのように本名よりもニックネームが日常よく使われている社会ではきついだろう。
しかしタイのエリートたちが選挙改革との掛け声で”一つの政党 一つの番号”をやめたいのは次の写真が原因だという気がする。この写真は2011年の最後の選挙の選挙前の活動の写真だがプアタイ党のインラック元首相は指で1を指して胸には番号1を付けている。雨が強く降る会場でかなり印象的な写真であるが、この時はタイ全国でこのような風景が見られプアタイ党は265議席で圧勝した。タイのエリートたちにとっては悪夢で政党番号1である”一つの政党 一つの番号”制度が圧倒的勝利を生み出したと考えているのだろう。