2018/05/02

タイの選挙について 9 政党のNo.について

これまでのタイの選挙では”一つの政党 一つの番号”でやってきたが次回の選挙から”一つの地区 一つの番号”と変わり、それぞれの地区により候補者の番号が変わるようになる。最後の2011年の選挙ではプアタイ党が番号1で民主党は番号10だったと記憶している。前回までは全国で投票用紙が同じだったのが選挙区ごとに投票用紙が変わるので選挙委員会は煩雑になるとして反対をしている。

また同じ数字を使うと票の買収がやりやすくなるという説がある。買収者は投票者にお金を渡した時に候補者の名前をいうよりは番号のほうが簡単に覚えてもらえるというメリットがある。だから日本のように白紙の投票用紙に候補者の名前か政党名を書くのがいいのだろうが、これはこれで無効票が出る確率が多くなる。タイのように本名よりもニックネームが日常よく使われている社会ではきついだろう。

しかしタイのエリートたちが選挙改革との掛け声で”一つの政党 一つの番号”をやめたいのは次の写真が原因だという気がする。この写真は2011年の最後の選挙の選挙前の活動の写真だがプアタイ党のインラック元首相は指で1を指して胸には番号1を付けている。雨が強く降る会場でかなり印象的な写真であるが、この時はタイ全国でこのような風景が見られプアタイ党は265議席で圧勝した。タイのエリートたちにとっては悪夢で政党番号1である”一つの政党 一つの番号”制度が圧倒的勝利を生み出したと考えているのだろう。