日本ではシャム猫や軍鶏(シャモ)という呼び方に親しみがありシャム双生児となっているが、厳密にはサヤームかサイアムが古いタイの国名でチット・プミサクの『タイ族の歴史-民族名の起源から』ではサヤームとなっているのでこちらのほうがいいだろう。ラーマ2世治世の1811年にバンコクの南サムットソンクラームで潮州系中国人漁師の家に生まれたインとジャン兄弟は肝臓が結合している状態で生まれた。1829年にヨーロッパでの興行のためにイギリス人に連れられて行った兄弟は興行名である「The
Siamese Twins」から結合双生児をシャム双生児と呼ぶようになる。1839年には兄弟は興行を辞めてアメリカのノースカロライナ州マウントエアリーでアメリカ市民権を取りチャン&エン・ブンカー兄弟という名前に変える。因みにインとジャン兄弟というタイ語名はインジャン(Gold Apple)という果物の名前から来ている。兄弟は同地で農業を始めてから、ある姉妹と結婚したインは10人、ジャンは11人の子供ができている。
今月にサムットソンクラームの招きでタイに来たインとジャン兄弟の子孫は5世代で1,500人になっているということである。1874年には兄のジャンが気管支炎で亡くなると弟のインも3時間後には亡くなったということである。兄弟の写真は横に並んでいるので側面が結合していると思われたようだが、実際は前面で現在の技術では分離ができるようだが当時の技術ではきつかったようである。